本業と健康を守るための、勇気ある戦略的撤退
PHPとLaravelを用いた、中小企業向けの在庫・勤怠管理システムの開発に従事していました。VS Codeでコーディングし、AWS上での運用まで一人で完結させるスタイルでした。
40代 / 男性
副業を辞めた最大の理由は、物理的な時間の限界が精神と肉体を蝕み始めたことにあります。プログラミングの仕事は、一度不具合が発生すれば解決するまでPCの前を離れることができません。日中は本業の管理職として部下の育成や会議に追われ、帰宅後の深夜2時から3時までコードを書く生活を続けていましたが、50代を目前にした身体にとって睡眠不足は想像以上に過酷なものでした。慢性的な頭痛や集中力の低下が顕著になり、健康診断の結果も悪化の一途を辿ったことで、このままでは長く持たないという危機感を抱きました。 また、本業への影響も無視できないレベルに達していました。開発の納期が重なると、本業の勤務中も頭の片隅でロジックの組み立てやデバッグのことを考えてしまい、本来集中すべき重要な意思決定に支障が出始めたのです。プロフェッショナルとして本業の給与をいただいている以上、パフォーマンスが落ちることは自分自身のプライドが許しませんでした。責任ある立場として、どちらも中途半端になるくらいなら、生活の基盤である本業に全精力を注ぐべきだと判断しました。 さらに、プログラミングという分野の特性上、技術の進歩が非常に速く、キャッチアップのための学習時間が必須となります。しかし、日々の業務に追われる中で新しいフレームワークやセキュリティ対策を学ぶ時間を捻出することが物理的に不可能になりました。知識が陳腐化していく恐怖を感じながら、無理に時間を削って対応し続けることは、もはや副業の域を超えた「苦行」になっていたのです。家族との時間を犠牲にし、自分の寿命を削ってまで続ける価値が、その時の私には見いだせなくなりました。